writter:がっきー
文学部生と思えないほど、ほんとうに読書べたです。読んでないなあ。
それでも、なんとなく「詩」はずっと好きで。
歌や句も含みます。とにかく、短いなかに何かが描かれていて、
それを時間をおいてふと思い出すことがあるような、そういうものが好きです。
春です。
ちょっと恥ずかしいですが、私のお気に入りの詩を、紹介したいと思います。
今回は、塔和子さんの「胸の泉に」。
人とかかわったことによる、さまざまな感情。経験。
ときにそれはマイナスに思えることもあるけれど、
それらは、少なくとも、かかわらなければ生じなかったことだった。
終わりに、こういうことばが出てきます。
「かかわらければ路傍の人」。
長くはありません。すぐ、読み終わります。
でも、読み終わったあとに、
自分の胸にも、水がしずかにたまった泉がある気がしてくるような、
そしてそこに、日々何か大事なものが落ちてきていると思えるような、そんな詩です。
数年前に出会ってからというもの、好きな作品で、
人間関係で、気持ちがもやもやしても、
「かかわらなければ路傍の人」、
かかわったからこそ、この気持ちになれている、と思うことにしています。
大学生活も残り1年と少々。貪欲に人とかかわりたいものです。
・・・ここまで書いて、調べてわかったのですが、
作者の塔さんは東宇和郡(現西予市)明浜の生まれ。ちょっとびっくりしました。11歳でハンセン病を発病、詩作に生きた人です。
塔和子「胸の泉に」 『塔和子全詩集 (第3巻)』(編集工房ノア、2006)所収
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