writer:がっきー
野村にいないときは関西からリモートで野村関連の仕事をしている。この原稿を書いているいま、大阪から京都へ向かう列車の車窓は桜が満開である。関西の中でも、住んでいる奈良と、大学のある大阪にいる時間が多い。今回は奈良の話を。
奈良は古都ということばにふさわしく、奈良の人はそのことに誇りをもっている。東大寺二月堂で毎年春を告げるお水取りにしても、一度も途切れることなく、1271回目を数える。野村にかかわるようになって、乙亥大相撲が中止なく170回続いていると知ったとき、独自の文化がそれだけ続いてきたことに感嘆した一方で、「そうか、それでもお水取りの六分の一に満たないんだ」とも思ったのを覚えている。「古い」といっても「古い」の単位が違うんだ、と考える、これは奈良の人間の悪いプライドかもしれない。
奈良をうたった有名な歌に、桜の名所・吉野を題材にした「よき人のよしとよく見てよしと言ひし吉野よく見よよき人よく見つ(天武天皇)」というのがある。一度声に出してみると、「よ」がなんと9回も登場する。これは、「吉野(よしの)は良し(よし)」という言葉遊びをしているだけの歌で、これを天皇が作ったのがおもしろいとされている。
というわけで、「野村(のむら)は飲む(のむ)」で一首。
のりのりで野村乗り込み飲み飲まれのらりくらりと伸びろ伸びしろ
これ、ずっと前からホームページの自己紹介のところに書いているのだが、いまのところ誰にも「本歌取りやね!」と言ってもらえていない。奈良プライドは、そう簡単には満足させてもらえないのである。
編集長、にわちゃんより
がっきーの希望により、受け取ったままの文章をそのまま貼り付けています。今までとはだいぶ違うスタイルですが、またそのスタイルも楽しんでいただければと思います。
Comments