一日一合と決めている。
銘柄は特に問わないが、あれこれ飲み比べたりもしない。
理想のコップがある。なんの変哲もない、透明な、普通のコップがいい。理想を求めさまよった事がある。スーパー、雑貨屋、ホームセンター。穴場的存在の贈答品店にも行ったがめぐり逢えなかった。行きつけの酒屋で頼めはしないかと出向き、その旨を告げた。取り寄せはできないけれど・・・。と歩を進めた先に、あった。酒呑みの勘で容積を量る。一合ジャスト、形も申し分ない。灯台下暗しとはこの事だ。家から徒歩数分のところにあったとは。軽く埃を拭き、包んでくれた。タダでいいと言う。嬉しくなった。帰って計量カップで容積を量ると、一合注いでフチまで一センチほど残る。気に入った。こぼれる心配がない。酒呑みは一滴たりともこぼしてはいけないのだ。
銘柄は特に問わないが、好みの酒はある。地酒の、できれば純米酒がいい。舌や財布と相談して今の酒に落ちついた。
*****************************************
いっし―17(紹介)・・・西予市野村町出身、理系大学を卒業後、東証一部上場企業に入社、機械メンテナンス部門担当し、全国各地で活躍していたが、一身上の都合により退社。その後、地元に帰省し、17年間の自宅待機を経て、災害で自宅が浸水したことを契機に、社会復帰。現在、前職の機械メンテナンス業務を生かした仕事に就くかたわら、素朴な感性によるエッセイを執筆中。無類の釣り好きだが、おもしろいほどに釣れない。
コメント