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連載エッセイ「好きだ」~ショットのシングルライダースが好きだ。(3)

 ショットはいい。豊かな革の厚み、シンプルなデザイン、スタンドカラー。ポケットのファスナーの、耳飾りのようなチェーンのツマミ。後見頃など一枚革である。モノとして惹かれてしまう。グリグリグリ、と重いファスナーを締め上げると鏡の中の自分がニヤつく。Schottの文字がハラハラと降る裏地もいい。袖口のファスナーは発明だ。素早く、確実に袖を閉じてくれる。腕を動かすと、ギュ、ギュ、と苦しそうな音を立てる。鎧を着ているような強ばりに僕もなんだか少し苦しくなる。でも、それがいい。

 革は生きている。保湿が肝腎なのだそうだ。自分なりに考えて、ハンドクリームをなじました両手で触りまくる。着たままで。

 脱プラスチックが叫ばれる。化学繊維より皮革製品の方がエコなのではないと思い件の店で聞いてみたところ、皮革用に飼育されたものだろうとの事。このクオリティを保つための不断の努力が偲ばれる。


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いっし―17(紹介)・・・西予市野村町出身、理系大学を卒業後、東証一部上場企業に入社、機械メンテナンス部門担当し、全国各地で活躍していたが、一身上の都合により退社。その後、地元に帰省し、17年間の自宅待機を経て、災害で自宅が浸水したことを契機に、社会復帰。現在、前職の機械メンテナンス業務を生かした仕事に就くかたわら、素朴な感性によるエッセイを執筆中。無類の釣り好きだが、おもしろいほどに釣れない。

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