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連載エッセイ「好きだ」~ショットのシングルライダースが好きだ。(4)

 砂埃舞う荒野をひた走るライダー。彼らを暑さ、寒さ、乾燥、時には転倒などのアクシデントから守るショット。頼れる存在だ。

 バイクには乗らない。しかしショットを手に入れて、乗りたいと思うようになった。これを着た自分を唯一想像できるシーンだ。以前、行きずりのライダーと話す機会があった。同い年でモトグッチを駆る彼は、サイドスタンドを立てたまま、アクセルをひねり、反動トルクで車体が右に傾くのを披露してくれた。乗ってみればと促されたが三十年乗っておらず、立ちゴケが恐ろしくて辞退した。本当は乗ってトルクの反動を確かめたかった。それを確かめるために、いつかバイクに乗る日のために、革のパンツとエンジニアブーツを買ってある。まだその時ではない。

 もう冬だ。 

 白いシャツの上にショットを着て町へ出かけよう。


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いっし―17(紹介)・・・西予市野村町出身、理系大学を卒業後、東証一部上場企業に入社、機械メンテナンス部門担当し、全国各地で活躍していたが、一身上の都合により退社。その後、地元に帰省し、17年間の自宅待機を経て、災害で自宅が浸水したことを契機に、社会復帰。現在、前職の機械メンテナンス業務を生かした仕事に就くかたわら、素朴な感性によるエッセイを執筆中。無類の釣り好きだが、おもしろいほどに釣れない。

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