実はコップ酒初心者である。一日一合と決めたものの、目に届くところにあるとつい呑んでしまう。だからいつも一合瓶を求めていた。一合瓶をコップに注いだのでは美しくない。一升瓶とコップ。この対比が美しいのだ。おそるおそる一升瓶を買った。一日、二日と事もなく過ぎていく。しかしある日、どれくらい飲めるのだろうという疑問に答を出しにかかった。一合、二合・・・。五合目でトイレにかけ込んだ。次の日は夜までなにも受けつけなかった。そのつらい経験が今も一日一合を守らせている。関係ないが、酒呑み数えうたを作ったので、載せる。
一合いつものいい調子
二合にっこり肉どうふ
三合さか手で差し合うて
四合ヨロヨロ夜道の帰り
五合ゴロ寝でゴロタひく
今日も呑んだ明日も呑もう
一生死ぬまで呑みたいものだ
死に水はこのコップで、たのむ
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いっし―17(紹介)・・・西予市野村町出身、理系大学を卒業後、東証一部上場企業に入社、機械メンテナンス部門担当し、全国各地で活躍していたが、一身上の都合により退社。その後、地元に帰省し、17年間の自宅待機を経て、災害で自宅が浸水したことを契機に、社会復帰。現在、前職の機械メンテナンス業務を生かした仕事に就くかたわら、素朴な感性によるエッセイを執筆中。無類の釣り好きだが、おもしろいほどに釣れない。
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