最初に寄ったガソリンスタンドの定員が助手席に駆け寄り、それと気づいてあらためて運転席の私の方に来た。外車のオーラが出ていないのは良い事だと思った。元は70年代デザインのファミリーカーなのだ。5ナンバー枠に収まっているのも潔い。そこにはハイパワーエンジンを搭載し、ブレーキはブレンボ、ダンパーはビルシュタイン、シートはレカロ・・・闘うマシンとなって市場に返り咲いた。ゴーカートのような、という形容どおり、路面に吸いつくようなハンドリング。地面に手のひらを触れているような感じだ。そして気づいた。交差点を曲がる時、ある一定のスピードで一定のハンドル切り角を越えるとハンドルが軽くなり、接地力が弱くなる。ハンドルの切り過ぎを警告してくれるのだ。そしてハッとした。
私は!(僕は)
車に!(でる子ちゃんに!)
調教されているっ!
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いっし―17(紹介)・・・西予市野村町出身、理系大学を卒業後、東証一部上場企業に入社、機械メンテナンス部門担当し、全国各地で活躍していたが、一身上の都合により退社。その後、地元に帰省し、17年間の自宅待機を経て、災害で自宅が浸水したことを契機に、社会復帰。現在、前職の機械メンテナンス業務を生かした仕事に就くかたわら、素朴な感性によるエッセイを執筆中。無類の釣り好きだが、おもしろいほどに釣れない。
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